フットボールカルチャー > フットボールチーム特集 > フットボールクラブの本拠地を訪ねる
英国中で行われている地元チーム同士のダービーマッチ。その背景を覗いてみれば、英国の誇るフットボールの伝統が見えてくる。
長い間、世界中のフットボールに影響を与え続けている英国の名クラブの数々。英国を訪れた際には、これらのクラブの本拠地である市や町に足を伸ばせば、他では味わえないおもしろい休日が体験できる。伝統が深く根付き、筋金入りのファン層を持つフットボールタウンはどこか特別な場所。その代表である英国三大都市では、有名フットボールクラブのホームでの勇姿を見る、絶好の機会を得ることができる。
今回、フットボールカルチャーでは、海外からのファンにとって比較的訪れやすい都市の観光局に話を聞いた。地元ヒーローの活躍に街中がわくダービー戦を中心に、各都市を紹介しよう。
ロンドン | バーミンガム | マンチェスター
ロンドン:世界一のフットボール都市
まずは、英国の首都を見てみよう。ロンドンにおけるフットボール人気はものすごく高い。ここには、世界中のどの都市よりも多い、なんと13ものプロフットボールチームがある。実は、英国プレミアリーグに所属する全20クラブ中、アーセナル(Arsenal), チェルシー(Chelsea)、チャールトン・アスレティック(Charlton Athletic)、フルハム(Fulham)、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)、ウェスト・ハム・ユナイテッド(West Ham United)と、実に6つのクラブがロンドンを本拠地としているのだ。そして、昨年のプレミアリーグはチェルシーが制覇、ライバルのアーセナルが2位と、まさにロンドン勢が席巻した。他に、プレミアリーグより下のディヴィジョンでプレーするチームがある一方、ロンドンには女子フットボールチームも数多く誕生している。
プレミアリーグの試合は、豪華なショーのようだ。観戦チケットの平均的な値段は25〜85ポンド(約5,100〜17,500円)だが、チケットを手に入れるのは非常に困難な場合がある。そんな時は、下位リーグなら15〜50ポンド(約3,100〜10,000円)で試合観戦を楽しめるうえ、プレミアリーグなみの盛り上がりを味わうこともできる。また、並みいる強豪がひしめくロンドンでは、ダービーマッチが独特の興奮を呼ぶ。たとえば、いわゆる‘ノースロンドン・ダービー’のアーセナル対トッテナム戦、西へ行ってチェルシー 対フルハム戦、そしてテムズ川南側のクリスタル・パレス対ミルウォール戦などがある。ロンドンを訪れたら、ぜひダービー戦を見に行ってみよう。
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バーミンガム:活気に満ちたコスモポリタンな街
ロンドンから列車で北へ少し行くと、英国有数の大都市バーミンガムがある。かつて‘世界の職場(work place of the world)’と呼ばれたこの活気あふれる産業都市は、今や世界的な商業の中心地になっている。社会基盤の再開発が続く人口百万都市バーミンガムには、すばらしいフットボールの伝統と多様な文化から生まれる活力がある。こんなバーミンガムでは、今年、フットボールにひと味添えてくれる催しが行われている。それは、世界に知られるバルティ(カライという小さなボールに入ったカレー料理)の発祥地バルティ・トライアングルを訪れる、エスニックフード好きにはたまらないパック旅行。スパイスの効いたバルティは、フットボール観戦の前に食べるのにも、後に食べるのにも最適な料理だ。
バーミンガムには、プレミアリーグに所属する2つのクラブが本拠地を置いている。アストン・ヴィラ(Aston Villa、通称ヴィラ)と、バーミンガム・シティ(Birmingham City、通称ブルーズ)。それに、バーミンガムのすぐ隣には、もう1つのクラブ、ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich Albion、通称バギーズ)もあって、ある意味、地元ファンは6戦のダービーマッチを6試合楽しむことができるのだ。その中で、かつて欧州の舞台で名を馳せたものの、最近は本来の力を発揮できずにいる‘眠れる獅子’アストン・ヴィラのサポーターが最も忠実だと言われている。拡張の可能性のあるスタジアムと、チームのヨーロッパにおける栄光の復活を待ち望む大勢の忠実なサポーターが、1982年ヨーロッパ・カップの覇者、ヴィラの誇りだ。
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マンチェスター:ユナイテッドかシティか
さらに北へ行くと、英国で最も有名な都市のひとつ、マンチェスターがある。ヨーロッパの中では比較的新しく生まれたこの都市は、英国の綿工業の中心地として繁栄するようになり、かつては‘綿業都市(cottonopolis)’と呼ばれていた。ビクトリア調のこの街では、当時、世界に先駆けて運河や鉄道が利用され、ブラックバーン、ボルトン、オールダムなどの周辺地から集まった綿が、ここから英国全土へと運ばれていた。そして、マンチェスターは言わずと知れたマンチェスター・シティ(Manchester City)の本拠地。そして、さらに有名なマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)も、1878年に労働者の社交クラブでその前身が誕生し、ここ、マンチェスターを本拠とする。この伝統そのものが、この地に深く根付いた地元とフットボールの関係の証である。
両クラブが対戦するダービー戦が行われる日、街はチームカラーの赤と青で埋め尽くされる。街中がかたずを呑んで試合を見守るなか、スタジアムや近くのパブはサポーターの熱気に包まれる。
マンチェスターから北へ32キロ(20マイル)ほどのところにボルトンという街がある。地元のボルトン・ワンダラーズ(Bolton Wanderers)には、昨年の秋、スタイリッシュでマスコミへの露出も多い、地元で‘日本版ディビッド・ベッカム(David Beckham)’とも呼ばれる中田英寿が移籍してきた。以来、ボルトンは日本人の間でいっきに有名に。中田のおかげで、元々観光地とは言えないこの街が、多くの日本人ファンが訪れたがる場所になったのは間違いない。一方、地元の人たちは、2月から始まるUEFAカップで、中田がチームに大きく貢献してくれるのを期待している。もちろん、中田の移籍でボルトンには日本のマスコミが大挙して訪れるようになった。またここは、海外で戦うヒーロ−の姿を一目見たいという日本人フットボールファンの新しい旅行地となっている。
マンチェスターとその独特な文化について詳しくはこちらへ (英語) ボルトンに関して詳しくはこちらへ (英語)
今回取りあげたのは、英国中で行われているダービー戦のほんの一部。他にも見逃せないダービーはたくさんある。たとえば、スコットランドには‘オールド・ファーム’と呼ばれるレンジャーズ対セルティック戦、ウェールズにはスウォンジー対カーディフ戦など、いずれも試合はおおいに白熱する。
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2006年2月 フットボールカルチャー編集部
協力: ロンドン公式観光局 バーミンガム・シティ・カウンシル マンチェスター・ビジターインフォメーションセンター ボルトン・ツーリストインフォメーションセンター
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