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ミュージシャン、Close-Up of Musician's Fingers Playing Electric Guitar, image © Corbis
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勝負の行方は応援ソング次第?

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イングランド代表の応援ソングがグラミー賞獲得なんて、ありえない。それどころか、どんな音楽賞も取れないだろう。とはいうものの、信じがたいことに、実際、かなりいい線を行く応援ソングを作ったバンドもいるのだ。

それは、1996年の夏のこと。全てがいつもとちょっと違っていた。イングランド代表が大勝利を目前にしていたこともそうだったし、さらに意外だったのは、なかなかいけてるフットボール応援ソングがチャート入りしていたことも。

テリー・ ヴェナブルス(Terry Venables)率いるイングランド代表チームは、ヨーロッパ選手権の準決勝に進出。国中が熱狂にわき、人々はある曲を聞きながら飲んで騒いでいた。

その曲とは、ライトニング・シーズ(Lightning Seeds:リバプール出身のイアン・ブロウディによるソロプロジェクト)とBBCの人気番組『Fantasy Football』のプレゼンターを務めるお笑いコンビ、デイヴィッド・バディーエル(David Baddiel)とフランク・スキナー(Frank Skinner)による『Three Lions』。簡単で誰もが一緒に歌えるポップソングだった。

『Three Lions』
1996年ヨーロッパ選手権のイングランド代表公式応援ソング『Three Lions』は、当時イングランド中を包んでいた気運を完ぺきに表現していた。ブリットポップ(90年代に英国音楽界に起こったポップミュージックの一大ムーブメント)が全盛を迎え、ロンドンが世界一クールな都市と言われるようになったばかりの時代だった。

『Three Lions』は、歌詞ではイングランドが30年間一度も選手権の優勝を手にしていないという悲壮感をつづる一方で、楽しげなコーラスは、いつも変わらず楽観的なイングランドの国民性をよく表していた。人々はこの応援ソングを聞きながら、一瞬の間、希望を抱きはじめていたのだった。しかし悲しいことに、イングランドはPK戦で旧来の宿敵ドイツに破れ去った。

応援ソングの鉄則
フットボール応援ソングは、昔から大きな大会にあわせて発表されてきた。これには2つの目的があり、ひとつは遠征していくサポーターを一致団結させること、ふたつめは無関心な国民の愛国心を奮い立たせ、代表チームを応援させることだ。

通常は‘話題の’バンドが、代表チームから‘ヴォーカル’(と広義には言えるだろう)をゲストとして迎え、応援ソングを演奏する名誉を与えられる。大事な原則は、一緒に歌えるくらい覚えやすくて派手なコーラスの部分があることだ。そして、テラスのファンが大合唱すれば、苦戦するチームも奮起するような曲でなければならない。

これまでのワールドカップ応援ソングは、どちらかと言えば不出来なものが多いと言わざるを得ない。過去2回、1998年と2002年のワールドカップにおけるイングランド代表応援ソングは、スパイス・ガールズ(Spice Girls)の『On Top of the World』とテレビのバラエティー番組で大人気のアント・アンド・デック(Ant and Dec)による『We're on the Ball』だった。この2曲は、その時のイングランド代表チームの戦績同様ふるわず、ヒットしなかった。

あえてこれより以前のものにも触れるなら、1970年に当時世界チャンピオンだったイングランド代表チームが出した、陽気でにぎやかな『Back Home』という曲もある。

応援ソングの名作『World in Motion』
偶然にも、イングランド代表が大会で好成績を収めた数少ない時には、最高のフットボール応援ソングがリリースされている。それは、すでに述べた1996年のヨーロッパ選手権と、1990年のワールドカップイタリア大会の時である。

1990年、マンチェスター出身の伝説のアーティストグループ、ニュー・オーダー(New Order)が、イングランド代表公式応援ソングを制作することになり、フットボール応援歌としてはおそらく屈指の名曲『World in Motion』が生まれた。

おそらくその漠然とした歌詞のおかげだろうが、『World in Motion』は時を超えた名作となっている。またこの曲は、誤って『John Barnes Rap』としても知られている。というのも、リバプールのストライカー、ジョン・バーンズ(John Barnes)が、この曲の中で意外にも上手なラップを歌っているからである。

この大会の間にイングランドで一躍名声を得たポール・ガスコイン(Paul Gascoigne)も、結構滑らかな声を披露している。そして、曲の最後は ‘We'e singing for England, ENGLAND(イングランドのために歌っているんだ)’というイングランド代表チーム全員によるコーラスで締めくくり。ニュー・オーダーは16年経った今も、コンサートでこの曲を演奏している。

『World at Your Feet』で夢の再現か
先日、FA(イングランドサッカー協会)は、ヨークシャー出身のロックバンド、エンブレイス(Embrace)が今年のワールドカップ公式応援ソング『World at Your Feet』のレコーディングを行うと発表した。リードヴォーカルのダニー・マクナマラは、ニュー・オーダーと同じような成功を収めたいと話した。運がよければ、応援ソングが大ヒットし、代表チームも勝利を手にすることができるかもしれない。その結果は、時が来れば自ずとわかる。

2006年4月
ベン・ラプトン

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