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British Council Japan
サッカーゴール, Soccer Goal Net and Stadium Light, image © Corbis Japan
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フットボール実況アナウンサー
パート2

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アナウンサーの実況には、お国柄がよく表れる。私はグリーンランドでとてもシュールな体験をした。滞在中に衛星放送で『イングランドのサッカー』という番組を見た。アメリカ人のアナウンサーが、野球のようにチームをニックネームでしか呼ばないのだ。

「今度はフクロウが下がり、羊が攻撃に入りました!」

[今度はアウルズ(Owls: シェフィールド・ウェンズデーのニックネームで、「フクロウ」の意)が下がり、ラムズ(Rams: ダービ・カウンティのニックネームで、雄羊の意)が攻撃に入りました!]

一般的に英国人は、外国のアナウンサーはもっとはるかにエキサイティングで情熱的な実況をすると思っている。1990年代にチャンネル4がイタリアのフットボールをライブで放送していた時、番組のオープニングには、「ゴラッチオ!!!(Golaccio!!!)」という、いかにもイタリア語の実況らしい絶叫が流れていた。面白いことに、この言葉はイタリア語に聞こえるが、イタリア語にそんな言葉はない。実際には、ラテン系のアナウンサーの実況はこんな感じというイメージから作られた。番組を制作したクリサリス社は、「テーマ曲を書いたスティーヴ・デュベリーという人が、ブラジルとイタリアのイメージから言葉を想像して、曲の一部として録音した」と明かした。英語に訳すとすると、「ゴールタスティック!(ゴール+ファンタスティック= Goaltastic!)」みたいな感じになるのだろう。

昔から、『オン・ザ・ボール(On The Ball)』のような英国のテレビ番組がブラジルのゴールシーンを放送するときは、「ゴーーーーール!!!!」というアナウンサーの絶叫がつきものだ。

2002年ワールドカップで韓国がイタリアを2対1で破ったときも、英国の各チャンネルは興奮しきった韓国人アナの実況を流さずにはいられなかった。誰も何を言っているのかは理解できなかったが、その歓喜の表現は、国境を越えてすべてのフットボールファンに伝わった。

イングランドの人々は、‘外国の実況アナは情熱的’というイメージをもっている。それに唯一反するのは、ドイツ人アナだ。デイヴ・リマーは、1998年に出版した短編『Some of My Best Friends Are German』の中で、ベルリンに住んでいた時のことを書いている。ドイツの国際試合で忘れることができないのは、ドイツ人のアナウンサーが単調に言う「Reut-er Zieg-e Hassl-er Kopk-e」というフレーズだという。

英国でもニックネームをつけられている実況アナはいるが、中国ではどのアナウンサーにも必ずつけられる。2002年ワールドカップでは、中国の実況アナ、Han QiaoshengとHuang Jianxiangに‘おしゃべり(Dazui)’と‘長話(Diedie bu xiu)’というニックネームがすぐについた。英国のフットボールは中国でも生中継されている。『インディペンデント』紙の北京特派員、カラム・マクラウドは、そのゲスト解説者になった。‘ベッカム’の発音の仕方‘ベイ・ケ・ハ・ム’を習得した彼は、フットボールを愛する北京のタクシー運転手たちの間で‘ホース・ドラゴン(Horse Dragon)’として知られるようになったという。幸い今のところ、モトソンは、‘マラソンアノラック’とは呼ばれていない。

世界の実況アナたちについて考えると、英国人の中におもしろい矛盾があることに気付く。英国人は、自国のアナウンサーには落ち着いた実況を求めるのに、外国人アナウンサーの熱狂的な実況が大好きだ。最近、英国の全国紙が、史上最もすばらしい実況を決める投票を行った。トップは北欧のアナウンサーの、熱狂を込めた有名なコメントだった。それには、事実と肩書きに固執するイングランドのスタイルと、外国の熱狂的なスタイルが合わさっていた。1981年にさかのぼるが、ワールドカップ予選でノルウェーがイングランドを破り、実況アナの Bjorge Lillelien が夢中でこう叫んだ。

「ネルソン卿! ビーヴァーブルック卿! サー・ウィンストン・チャーチル! サー・アンソニー・イーデン! クレメント・アトリー! ヘンリー・クーパー! ダイアナ妃!マギー・サッチャー! 聞こえますか、サッチャーさん? おたくのチームが大変なことに負けたんです!」

彼が言おうとしていることは、世界中のファンにはっきりと伝わった。イングランドの人々は、自分たちがフットボールを考案したと主張する。そのフットボールで、イングランドを負かすのは最高の気分なのだ。フットボールのドラマを表すのに、 Lillelien の言葉を越えるものはない。

文:ピート・メイ

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