フットボールカルチャー > フットボールの舞台裏 > フットボール実況アナウンサー パート1
フットボールの実況アナウンサーは、みんな自分のスタイルを持っている。意外かもしれないが、偏見を持っていることも多い。年月を経て、英国の実況アナがどのように変わってきたのか、そして他の国の実況はどうなのか、見てみよう。
‘And some people are on the pitch they think it's all over it is now!’ (ピッチにはすでに人が出てきています。もう試合は終わったと思っているのです。そして今、試合終了です!)
1966年、ワールドカップ決勝戦の延長終了間際。ケネス・ウォルステンホーム(Kenneth Wolstenholme)は、BBCのアナウンサーらしい、歯切れのいい口調で言った。イングランドのフットボールファンにとって、この時の彼の口調は、一つの時代を象徴している。当時、実況アナウンサーのしゃべり方は少し上品で、決して熱くなりすぎることはなかった。イングランドがワールドカップで優勝した時でさえそうだったのだ。
1970年代も、英国らしい落ち着きのある実況の時代だった。リーズ(Leeds)が得点するたびに「1 - 0!」ときびきびとした口調で言っていた、BBCのデイヴィッド・コールマン(David Coleman)。彼の口調にそれがはっきりと象徴されていた。最近では、フットボール雑学にやたらと詳しいジョン・モトソン(John Motson)の実況が、とても英国人らしい。彼は、2002年ワールドカップの期間中、ずっと‘イングリッシュ・ブレックファースト’を引き合いに実況していた。
「オーウェンはシズオカでシズルしています。彼を見ようと早起きしたイングランドの人々は、朝食のソーセージをシズルしています!」 [オーウェンは静岡で大人気(シズル:sizzle)です。彼を見ようと早起きしたイングランドの人々は、朝食のソーセージをジュージュー焼いて(シズル:sizzle)います!]
この実況もまた、とても英国人らしい。そう、たまごとソーセージの朝食と同じくらい、英国を象徴している。そして、彼のあだ名は‘モティ’。英国流に苗字を縮めたあだ名は、‘愛すべきフットボールアノラック(football anorak)’にぴったりだ。(英国では、アノラックには‘超熱狂的なファン’という意味がある)
近頃では、イングランドらしい落ち着きのある実況をやめようとする新しいタイプのアナウンサーも出てきた。1990年代、ジョナサン・ピアース(Jonathan Pearce)は、「‘ドイツ人’のクリンスマンがトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)のためにゴールを決めました!」などと叫ぶことで悪名が高く、知的なモティの方が英国人には好まれているのである。
アナウンサーの実況にはお国柄が? 続きはパート2で
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