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イングランドサポーター, England fans, Soccer - 2006 FIFA World Cup Germany - Group B - England v Trinidad & Tobago - Franken-Stadion, image © Owen Humphreys/PA/EMPICS
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異文化の壁を越えて
イングランドサポーターのワールドカップ

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2006年FIFAワールドカップ・ドイツ大会。イングランド代表は、今回も準々決勝を突破することができなかったものの、人種や宗教の壁を越えたイングランドサポーターが、この大会を大いに盛り上げてくれた。

オリンピックと共に、ワールドカップは全世界の人々が一堂に会するスポーツイベント。ドイツで4週間にわたって繰り広げられたフットボールの祭典に、世界中からチームとファンがやってきた。FIFA(国際サッカー連盟)は、ドイツに遠征しているイングランドサポーターを、‘多文化主義のお手本’として称賛した。

イングランドサポーターと言えば、その多くが白人男性だった。しかしこの大会では、アフリカ系やインド・パキスタン系をはじめとする少数民族の人々を進んで受け入れるイングランドサポーター集団に注目が集まった。開催国ドイツでは、さまざまな文化や宗教をもつ多様な人々が聖ジョージ旗のもとに団結する姿が、方々のスタジアムや街の広場で見られた。

国内でも遠征先でも
一方、英国内ではどうだったのだろうか。時事問題を扱うドイツの『デア・シュピーゲル』誌のジャーナリストが、ロンドンのバーでグループリーグ初戦のパラグアイ戦を観戦。英国の多文化社会に暮らすさまざまな人々が入り交じり、一丸となってデイヴィッド・ベッカム(David Beckham)率いるイングランド代表を応援する姿に驚いたと、同誌に書いている。

また、タイムズ紙には、4人の白人の友人とドイツにやってきた26歳のアジア系英国人、アキ・サディクのこんなコメントも見られた。「第一に、僕らはみな、イングランドで生まれ育ったイングランド人。そして、僕らは全員、イングランドのサポーターであり、チームが行くところにはどこにでもついていって歌う。僕はイスラム教徒で仲間と一緒にお酒は飲まないけれど、そんなことは問題じゃない」

キック・イット・アウト
近年、FIFAは、特に人種差別問題が横行しているヨーロッパにおいて、問題解決に向けて熱心な取り組みをしている。FIFAと密接に協力し合っているのが、差別をなくし、フットボール文化に前向きな変化をもたらそうと尽力する、キック・イット・アウト(Kick It Out)という組織である。

キック・イット・アウトのスタッフは、FIFAのパイプ役としてドイツを訪れた。代表のピアラ・パウアーは、デイリー・テレグラフ紙のインタビューで、今回のワールドカップについてこう語った。「イングランドがすばらしい手本だと、皆が思いはじめている。人々はこれまでも、にぎやかで情熱的なイングランドのファン文化を常に称賛してきた。これからも、イタリア人、ドイツ人、ポーランド人は、イングランドのファン文化に多少のあこがれを抱き続けるだろう。前向きな考えを持つサポーターたちは、模範的な例としてイングランドに目を向けている」

パウアーは、イングランドのファン層の性質が変わってきていると語る。「ここドイツにいると、それがわかる。以前より多くのアフリカ系およびアジア系のサポーターが、イングランドを応援しているのだ。これは、ユ−ロ2004から始まったことだ。‘イングランドを応援しに行ったら身の危険を感じる’というような危機感はない。アフリカ系およびアジア系のサポーターがイングランドを応援しに行くには、怖いもの知らずでなければいけないという状態から、フットボールを愛し、遠征する余裕のある人たちが応援に行くという状況に変わっている」

世界に誇るサポーター精神
イングランドの試合が行われた時、ドイツ国内の開催地には推定8万人のイングランドサポーターが押し掛けた。地元ドイツの人たちは、ワールドカップ本大会に熱気をもたらしたイングランドの人々を称賛した。期待よりもいくぶん早くイングランド代表は敗退してしまったが、少なくとも、イングランドサポーターは世界に誇れるものを残した。それは、彼らサポーターがドイツで見せた、どこの国にも負けないサポーター精神である。

2006年8月
ベン・ラプトン

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