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英国のフットボールファンは一味違う

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「英国フットボールは衰退期にあると言われている。だが、スタンドに目を向けると、世界中のフットボールファンが模倣するサポーターの元祖、英国人フットボールファンがそこにいる」とサイモン・クーパーは言う。

世界中の熱心なフットボールファンが、英国の‘ファン文化’にあこがれている。何とか英国人フットボールファンを真似ようとする外国人ファンもいる。スタンドのテラスに掲げられたユニオンジャックをヨーロッパ中で見かけるし、英国でつくられた歌が歌われたりもする。A・ウォーが「労働者階級の国歌」と称した“Here We Go”は、社会主義賛歌「インターナショナル」にとってかわりつつある。英国人フットボールファンには、このほかにも多くのレパートリーがある。

英国のフットボールファンは独特だ。英国では、フットボールそのものがファン文化に付随するといっても過言ではない。英国人ファンは、世界中のどの国のファンよりも‘ファン意識’が強い。チームサポーターの人数、認知度、そして独自性にこだわるのだ。

英国人フットボールファンにとって最大の美徳とは、チームへの献身だ。フットボールに関係していても、チームに関係しなければあまり眼中にない。小さな町のローカルチーム、ロッチデールのファンは、ガザやプラットといった国を代表する大選手の記事に目を通すことはあっても、本当に読みたいのはロッチデールに関する記事なのだ。私がオランダやドイツにいたとき、友人たちにも好きなチームがあったが、彼らはチームに強く入れ込んでいるわけではないし、彼らの好きなチームはよく変わっていた。イングランドに来て、自分でプレーしようなんてみじんも思ったことがないのに、チームを熱狂的にサポートする人々に出会った。彼らは、そのチームが下手だとわかっていても、毎週試合を観戦に行く。

英国人フットボールファンは、チームの歴史に詳しい。フットボールの試合は、両チームの歴史の戦いでもある。それがグラスゴーならなおさらのこと。セルティックのチームソングにこう歌われている。

‘対戦に値する
古くて偉大なチーム、観戦に値する
古くて偉大なチーム、歴史を知る者なら応援したくなる’

英国の有名なスポーツアナ、ジョン・モトソンは「この2チームが最後に対戦したのは1954年のFAカップです。31分のオウンゴールで、ローヴァーズが1対0で勝ちました」などという解説をする。とても英国人的な見方だと思う。

サイモン・クーパー著『Football Against The Enemy』 (1994年、オリオン社) からの抜粋

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