Undergraduate education- A galaxy of opportunites - Take a voyage of self discovery and explore  the vast array of courses and qualifications offerd by colleges and universities across the country.

MI さんの「現地レポート」

日本人留学生の間でもっとも人気のある分野の一つとしてランクインする開発学をサセックス大学で勉強中。勉強の様子も、南海岸のリゾート地であるブライトンでの生活もレポートしてくれます。
 


2007年10月29日

9月初旬にブライトン入りして約1ヶ月後、10月1日から Academic year が始まりました。始まりと同時にリーディングの嵐に追われる日々です。

英国で人気の作家ミラン・クンデラの著書 "The Unbearable Lightness of Being" (『存在の耐えられない軽さ』)の一節に、

'Being in a foreign country means walking a tightrope high above the ground without the net afforded a person by the country where he has his family, colleagues, and friends, and where he can easily say what he has to say in a language he has known from childhood'

(海外に暮らすとは地上からかなり離れたところにかかっている綱を渡っているようなものだ。しかも、言いたいことがすんなり言えて、家族や友達がいる母国という守られたセーフティーネットなしに。)

とミラン・クンデラの著書にありますがまさにその通りの毎日です。プライベートでも住居探しに始まり、引越、諸手続き、学校が始まれば授業展開、教授との距離の取り方、そして久々のアカデミック英語に右往左往。すべてにおいて自らが主体となり、ある意味誰からも守られることなく物事をこなさねばなりません。本当に綱渡りのようです。何ひとつとっても日本での生活のようにスムーズにはいきませんが、ひとつひとつ、気長に肩の力を抜いて、 'It's not the end of the world!' と気楽に構えているのがある意味いちばんの解決策かもしれません。日本ならこうなのに・・・とネガティブに考えず、ポジティブな心構えでいるのがこちらで快適に過ごす一番の秘訣のような気がしています。

本当に改めて、日本ほどお客様第一主義で様々な手続きが迅速に行われる国はないように思います。銀行も、スーパーも、どこもかしこも Queue up(長蛇の列)ですから・・・。

さて、始まってもうすぐ1ヶ月となる修士課程について少し触れたいと思います。

IDS (Institute of Development Studies) は1966年に先進国及び開発途上国間の国際開発を担う国家研究機関として設立されました。 University of Sussex(サセックス大学)のキャンパス内にありながらも、独立した一機関として、キャンパス内に独自の図書館も完備し、開発関係の文献はすべて揃ってしまうような恵まれた環境です。独立機関でありながら、修士課程の学位はサセックス大学から授与されるという大変ユニークな機関です。

初日は IDS でこれから研究を開始する修士、博士課程の学生、教授陣及びスタッフ一同100人以上が講堂に集まり、 Head of Graduate Programmes の挨拶により幕を開けました。

IDS の院生として、決して受身的にならず、主体的に学んでほしい。教授陣も我々学生から大いに学んでいくこと、そして IDS のネットワークは全世界に拡がっており、卒業しても IDS は大きな家族のような集団で皆がその構成要因であること、このチャンスを最大限に活かし、素晴らしい一年を送って欲しいと挨拶がありました。

IDS の構成員はまるで世界の尺図のようです。公用語は英語ですが、肌・髪・目の色も違えば、文化的背景も様々です。しかし同じ「国際開発」を学び、この分野に従事していこうという志、立ち位置は皆同じです。国連出の人も、政府から派遣されている人も、 NGO で働いていた人も、大学卒業したての学生も、知識・経験に多少差はあったとしても、ある目標を同じくする同志として、これから1年間、共に学んでいこうという姿勢に満ち溢れています。

私のクラスは18名。ジェンダー関係だけあって女性17名、男性1名、 Gender equality が整っているクラスとは言えませんが、イラン・インド・インドネシア・英国・カナダ・ジンバブエ・スペイン・日本・ネパール・パキスタン・バングラデシュと国際色豊かです。

これから1年間、計り知れない量のリーディングとエッセイ、そして 10,000 words の修士論文が待ち構えていますが、恵まれた環境、そしてこの留学を支えてくださっているすべての方に感謝しつつ、過ごしていきたいと思います。

開講2日目には、かの有名なロバート・チェンバース氏のワークショップが開催され、 IDS の学生全員が参加しました。これも IDS ならではの講義といえるでしょう。次回のレポートではこのワークショップの様子をお伝えしようと思います。

 
 

2007年11月28日

『チェンバース氏ワークショップ@芝の上』

瞬く間に時間が過ぎ去る日々です。気づけば今学期も残すところ2週となりました。さて、参加型開発の提案者のひとりであるロバート・チェンバース氏のワークショップについて今日はお話します。

The God of Development Studies (開発学の神)とも一部学生の間では囁かれているチェンバース氏。ここ IDS に留学を決めた学生の中にはチェンバース氏に憧れて、という人も少なくありません。もっとも、直接の机上での講義はないのですが参加型ワークショップとして今学期の2日目の午前に第一弾、そして土曜日丸一日の第2弾が10月中旬に、第三弾は今週末行われました。土曜日も登校というのは誰しも Happy ではありませんが、チェンバース氏のワークショップなら!と皆意気込んで参加している感があります。他大学からもワークショップ情報を嗅ぎつけた学生が潜りで参加しているくらいですから。私もご多分に漏れず、ウキウキで参加。今日はどんな学びがあるのかな・・・と。

ワークショップ第一弾は寒空の下、 IDS の建物裏にある広大な芝生の上で開催。小雨の降る中皆が厚着をしているにも関わらず、チェンバース氏はシャツ1枚。なんでも今年度で現役を退職される程のお歳らしいのですが、世界各国でフィールドワークを重ねてこられたオーラを感じさせます。先日 IDS 内でお見受けした際には多分自転車で自宅からこられたであろう雰囲気(ジャンパー着用、ヘルメット片手に!)を醸し出していらっしゃいました。若い!です。

この日のテーマはこれから1年間開発学を学んでいく上での心構え、自らの立ち位置を再確認させてくれるものでした。特に学問的なことを学んだわけではなく、世界が如何に多様性に満ちており、ここに集結した仲間がある意味その凝縮された集団であること、そして文化・言葉の壁を越えて皆が同じ人間であること、当たり前のことですがグローバル化・西洋化の波に押され人々が忘れてしまいがちな側面を再認識させるものでした。

その手法としては様々なアプローチがとられていたので全てを紹介しかねますが、一例として、芝の上に総勢120名程の学生が世界地図を作ります。60ヶ国以上からの学生の集団ですから簡単に地図を描けてしまいます。英国を中心とし、それぞれの出身国の位置に立ちます。そしてその後皆で大きな輪になり各国の言葉で「こんにちは!」を順次唱えていくのです。単純なことですが、如何に世界が広く(狭く)、なおかつバラエティーに富んでいる一方で、立ち位置は皆が同じであること、それらを時間と土壌を共有することにより、身体と共に五感で感じさせてくれるものでした。チェンバース氏の寛容な姿勢、巧みな話術、それらすべてに魅せられるひとときでした。

そう、もうひとつ印象に残ったのは開発学に従事する上で如何に相手を尊敬し、理解し、忍耐強く向き合えるかを暗に教えられたことです。今度は、英語に自信のある人→自信のない人の順に人の輪を一周作ります。その輪を半分に割り、自信のある組 VS ない組に分け、相手組の学生とペアになり、自信のない組の学生が英語を話す際に感じるジレンマなり劣等感を数分間ひたすら話し続けるというアクティビティーを行いました。自信のある組の学生はこの間一言も口にしてはなりません。英語が流暢に話せるというだけで支配的になりがちな力関係を問いただすもので、如何に相手の立場を理解し、辛抱強く、拙い英語ではありながらもその人の言いたいことに耳を傾けるか、人を扱う開発学の世界ではとても重要なことだと思います。

参加型開発を目指し、開発途上国の開発に携わっていく私たちにとって不偏不党な立場に立つことは必要不可欠なことです。このワークショップを受け、皆がある意味「無」のポジショナリティー状態にリセットされ、修士課程の1年がスタートしました。

次回はワークショップ第2,3弾について触れたいと思います。お楽しみに。

※写真はワークショップ第1弾の様子です。10月初旬というのに英国は日本の晩秋の気候です。

 
 

2008年1月15日 New!

『英国流年末年始』

季節ものの行事が多い年末年始。今日はこの時期ならではの英国の様子をお伝えしたいと思います。前回予告したワークショップ第2,3弾については勝手ながら延期します。

12月に入るとなんとなく忙しなくなる英国。皆クリスマスショッピングに走ります。多くの家庭では家族だけでなく、親類ともプレゼントを交換する習慣のあるこの国では街はクリスマス一色に染まります。そして郵便局には長蛇の列。遠くに住む家族に皆がカードやプレゼントを送ります。12月中旬に並んだ郵便局ではたまたまピーク時で1時間も待たされたくらいです!

キリストの降臨節にちなんだアドベントカレンダーを子どもたちは12月1日から毎日めくっていきます。このカレンダー、めくるとチョコレートが出てきます。皆クリスマスの日まで首を長くして、カレンダーをめくりながら楽しみに待つのです。

多くの企業は22日辺りからクリスマス休暇に入ります。イメージ的には日本のお正月がこちらのクリスマスといった感じです。25日には日本の元旦のように街は静けさに浸ります。

今年のクリスマスは英国人の友達のご実家にお世話になりました。

<25日クリスマス当日>

教会のクリスマス礼拝へ行きました。ある意味、日本の初詣の感覚です。

日本では宗教色もなく、イベントとしてクリスマスが祝され、ここ英国でもクリスマスが商業化しつつある今日。牧師さんは、Christmas (クリスマス)の意義を「本来 Christmas はそのようなコマーシャル的なものに淘汰されてはなりません。」と説いてくださいました。

Christ-mas (クリスマス)は、 Christ (イエス・キリスト)という言葉が含まれているそうです。クリスマスは神が人類最初のクリスマスの日に贈った Jesus Christ (イエス・キリスト、ジーザス・クライスト)の誕生という gift (贈り物)の祝い事なのだそうです。

牧師さんの説教は続きます。「ではなぜ神は我々にその贈り物を毎年贈り続けるのか?そして我々はそれを祝うのか?」

これに対する答えは、「我々が日々の生活やニュースで目や耳にするように、幾人かの人々は人生の意義を探求できず、悲壮感に喘いでいます。そもそも神が我々に施し与えてくださった人生とは、幸せに満ち、順風満帆で、充実したものであるはずなのに、昨今、皮肉にも多くの人々が間違った方向に進んでいます。

我々が平和で目的のある人生を歩んでいくために、我々の日々の生活の中で神はある任務を補っていく必要があります。神は神の理想とする日々と我々の現実的な日常のギャップを埋めるため、クリスマスのこの日に神の子である Jesus Christ を我々のもとに送るのです。

イエス・キリストは完璧なまでの人生を送った後、我々の愚行をすべて受け入れて天に召されました。年に一度のクリスマスの祝賀に、我々の日々の愚行の許しをイエス・キリストに請い、神に誓って、神からの愛を賜りつつ、また明日から新しい人生を歩んでいけば良いのです。その日が Christ-mas であるのです。」と牧師さんは説いてくださいました。

私自身宗教にはさほど精通していないのですが、このようなお説教を牧師さんが語ってくださいました。背筋がピンと伸びます。

教会から帰宅後、和やかな雰囲気の下、クリスマスディナーの始まりです!

前菜の後、ターキー(七面鳥)に、ベイクドポテト、 Stuffing (スタッフィングといって、ターキーの腸に詰めて蒸し焼きにしたもの)、茹でた野菜(人参、ミニキャベツ、ブロッコリー、 Parsnip ←さつまいものような野菜)、甘く味付けした紫キャベツ、これらすべてをお皿に盛り、ホームメードのクランベリーソース、 Bread sauce (ブレッドソース)、若しくはグレービーソースをかけてイタダキマス!

日本のお節料理のような繊細さは微塵もなく、むしろ大胆な料理ですが皆で囲むクリスマスディナーはやはり最高でした!

ディナーの後は・・・

デザートなしに英国のクリスマスは語れません。

まずはクリスマスプディング!

小麦粉、生パン粉、バター、卵、砂糖、ブランデーなどに漬けて柔らかくしたクルミなどのナッツ類、ドライフルーツ、ナツメグ、シナモン、クローブなどの香辛料、ブランデーやラム酒などの材料を混ぜ合わせて一晩寝かせ、ドーム状の型に流し込んで蒸したものです。お察しの通り、日本人には甘すぎるプディングです。それにも関わらず、英国人はさらにカスタードクリームをたっぷりかけて食べるのです。プディングの黒い色が見えなくなるくらいに・・・。恐るべし、英国人の味覚です。

次はホームメードのクリスマスケーキ!

日本の生クリームと苺などという可愛いものではありません。これまたどっしり、甘いのなんの。しかも、一番上の白いものは生クリームではありません。アイシングという要は砂糖の塊です!

中身はクリスマスプディングとよく似ています。

前夜にドライフルーツをラム酒、ブランデー、ポート酒、レモン汁、ライム汁に漬け込み、翌日小麦粉、砂糖、卵などと混ぜ合わせ、成型。

この焼き上がった生地をなんと3ヶ月間熟成させます。1週間に一度、少量のブランデーをかけゆっくり時間をかけてクリスマスに備えるのです。

クリスマスの数日前に熟成したケーキをマジパンで覆います。そして最後にアイシングの生地を平らに成型してマジパンの上からケーキを覆い、飾りつけして完成!熟成してあるだけに、数ヶ月日持ちします。

戦時中、海の向こうに駐留する我が息子に日持ちのするケーキをと母親が愛情こめて焼き、熟成させ送ったのが始まりと聞いたことがあります。

<12月26日> Boxing Day

クリスマスの翌日はボクシング・デーです。

初めてこの言葉を聞いた時、ボクシングと関係のある日かな~と愚かにも思ったことを鮮明に思い出します。

元来、教会が貧しい人たちのために寄付を募ったクリスマスプレゼントの箱( Box )を開ける日として Boxing Day と呼ばれているそうです。

他にも、クリスマスまでにプレゼントやカードを無事に届けてくれた郵便配達員に労いの意を込めて箱入りのプレゼントを贈ったことからそう名づけられているようです。

お正月も英国で過ごしました。英国のクリスマスツリーは正月明けまで飾られます。よって日本人の私には新年に入ってもしばらくはクリスマス気分が抜けません。大晦日から元旦にかけてのカウントダウンも花火が打ち上げられ、ここブライトンでも海岸沿いでイベントが開催されていたようです。でもやっぱりお正月は日本で静かに過ごしたいなと感じてしまうのでした。

これぞ本場のクリスマス!といった年末年始でした。クリスマスは英国で、お正月は日本で、プレゼントや美味しいものに囲まれた最高の休暇パターンでしょう。

 
 

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